戻り川藻鳥

Suspense(原題)の戻り川藻鳥のレビュー・感想・評価

Suspense(原題)(1913年製作の映画)
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画面を三つの三角形に分割することで、侵入する者、侵入される者、救出に向かう者の3者を一つの画面内で一挙に示す。

浮浪者の侵入を防ぐためにドア前に移動させた鏡台が移動の衝撃で揺れるとき、鏡に映った妻(ロイス・ウェバー)のイメージも同時に揺れることで、彼女の動揺を視覚的に示す。続くショットでは、救出に向かう夫の車のバックミラーが画面中央に捉えられ、そこに後ろから追いかけてくる警察官の車が映り込む。これらのショットは、鏡を用いた分割画面であるとも言え、前者は、行動と同時に感情を、後者は、追われる者と同時に追う者を、クロースアップやクロスカッティングに頼ることなく、一つの画面で一挙に示している。分割が持続する状態=サスペンス。
戻り川藻鳥

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