香港ノワールの匠であるジョニー・トー監督の傑作…DVDソフトを購入して、久しぶりの再鑑賞。
そんな本作は、香港の伝統ある巨大裏組織の、2年任期の新しい会長選挙のドラマ…人望があって落ち着いている男と、勝ち気でなりふり構わない男の跡目争いを描く。
そう、冒頭のエピソードからギラギラの緊張感を醸し出し…安易にドンパチをしないリアルさでジワジワと進んでいく。
でありながらも、会長の証となる伝統の棍棒の奪い合い…一癖も二癖もある連中による意表を突く展開は、トー監督の持ち味かと。
そして、次期会長を決める駆け引きも意外ながら圧巻で…家族の血の絆の儀式をきっちり見せて、落ち着かせる。
しかし、その後ももしやのきな臭いエピソードを匂わせつつ…予想外ながらも納得のラストを見せられ、これぞ黒社会とニンマリ。
なお、キャストでは、レオン・カーフェイ…武闘派の熱演を披露。
対するサイモン・ヤム…したたかな好演を存分に披露。
さらには、ルイス・クーとニック・チョンが対照的に存在感を見せ… チョン・シウファイにラム・シューにラム・カートンらのおなじみの面々のサポートにニヤリ。