いち麦

リバー・ランズ・スルー・イットのいち麦のレビュー・感想・評価

5.0
ソフト持ちの大好きな作品。もう「午前十時の映画祭」のラインナップに入るとは。劇場スクリーンで4K版を鑑賞できる貴重な機会だった。字幕は戸田奈津子氏。
ノーマンとポール、お互いに羨望も競争心も抱き合いながらも尊重しあう友好な兄弟関係は何度見ても眩しい。兄弟2人の性格や人生の違いまで彼らのフライ・フィッシング独特の仕草や戦略、その時々の成果に表れているのも見応え感あって素晴らしい。父子3人にとってフライ・フィッシングは娯楽であると同時に家族の大切な宗教的儀式のようでもあった。自分も歳取ってみると信仰に繋がる深みがよく分かる。
ブラッド・ピットはこういう危ういキャラクターが凄く良く嵌まる俳優ではとつくづく思う(「12モンキーズ」のジェフリーも大好き)。しかも今作では多面的に良い処も描出されている役なので美形マスクと相まって魅力絶大。少年期のノーマンをジョセフ・ゴードン=レヴィット(これがデビュー作か)が演じていたのに今回初めて気がついた。原作者から映画製作の許諾を得るのに大変苦労したという監督R.レッドフォードが自らナレーターまでしており、作品への強い思い入れがひしひしと伝わってくる。秀作。
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