メタ壱

ブライト:サムライソウルのメタ壱のレビュー・感想・評価

ブライト:サムライソウル(2021年製作の映画)
3.5
明治になって間もない日本。
遊郭の用心棒をしているイゾウはある日売られてきたエルフ族の少女・ソーニャと出会う。
ソーニャを狙った賊に襲われ遊郭は炎上してしまうが、なんとか脱出したイゾウとソーニャは、オーク族のライデンと共にエルフ族の楽園があるという函館へと向かう旅に出る…というアニメ映画作品。

光と闇がテーマの本作。
相反する二つを描いているわけですが、作品そのものも“別のもの”を融合する事によって新しいアニメーション作品として仕上がっています。

一つは、明治維新直後の日本を舞台にしながらも、エルフ族やオーク族、ゴブリン族やケンタウロス族など北欧の神話に登場する種族が多数登場しこれまでの時代物とは一線を画す世界観を作り上げているところ。

2つ目は映像表現。
本作は3DCGアニメーションなのですが、トゥーンレンダリングと鮮やかな色彩によりまるで日本画のような映像を作り出しています。

そしてアニメ作品でありながら、特にアクションシーンには実写作品の様な手ブレの効いた流動的なカメラワークを取り入れ、そこにアニメや漫画らしい効果的かつカッコいいアングルを織り交ぜる事で、アニメと実写双方の魅力の融合に成功しています。

そしてそこに挿入されるサイバーチックな音楽がまた本作のアンバランスさの調和を引き立てています。

セルアニメに慣れているからなのか、アニメ調の3DCGに違和感を感じてしまいがちなのですが、本作はすぐにその違和感を忘れ、その新しく格好良い映像に夢中になってしまいました。

現在、様々なクリエイターや作品が3DCGアニメ表現の可能性を模索していますが、本作はその中でもかなり意欲的な表現に挑戦している先進的な作品だと感じました。

物語もまだまだ世界観を広げられそうな作品なので、是非とも続きが観たいです!
メタ壱

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