Renton

名探偵コナン ベイカー街の亡霊のRentonのレビュー・感想・評価

5.0
超名作メーカーこだま兼嗣監督のコナン映画第6作目。
映画館で人生で初めて観た映画かもしれない。
そもそも子供の頃から探偵や怪盗モノ、主にシャーロック・ホームズを好んで読んでた自分にドストライクすぎた。

新しく見返してみても、
後のSAO等の作品にもつながるメタバース的世界観や自立駆動するAIの暴走等を2002年に映画として形にしている先見性には恐れ入る。

公式チートの工藤優作が登場する唯一の映画としても評価できる。

また、親族の栄光を振りかざすクソガキとして出てきた諸星友人たちを初め、優遇されコクーン体験者として“選ばれし上流階級の子供たち”に対する灰原の皮肉と社会風刺の効いた世襲制への鋭い指摘に対し、

コクーンが試みた”日本のリセット“
それはヒロキ少年のような異才を潰すような日本の教育環境(当時は現代より顕著だったのかな)や自分の能力を私利私欲の為に独占しようという汚れた大人達への復讐心も多分に含んでいるだろう

その子供達がゲームの世界で仲間達と協力し、時には自己犠牲によってチームの希望を繋ぎ、ほぼ全員が ”自分はちゃんと役に立った、自分にもできた、やりきった“ という成功体験から自ら勝ち取った達成感を表現することで、前段の問題意識へのアンサーをさり気なく示す演出にも唸る

19世紀のロンドン。
切り裂きジャック。
ホームズ好きの新一も一番テンション上がっていたのではないだろうか。
思い出補正も込みで最高評価。
Renton

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