たむ

アヘドの膝のたむのレビュー・感想・評価

アヘドの膝(2021年製作の映画)
3.7
前作がベルリン国際映画祭金熊賞、本作がカンヌ国際映画祭で審査員賞と世界の映画祭で評価が高い監督の作品です。

映画監督のYが次回作の構想をしながら、レトロスペクティブに出席する中で、キュレーターの女性とのやり取りや過去と向き合います。
物語はあっち行ったりこっち行ったり、政治的な内容にも言及してくるため、盛りだくさんな映画です。
過去の兵役の話は『フルメタル・ジャケット』ばりの罵倒シーンがあったりしますが、過去の従軍経験をアニメーションにした『戦場でワルツを』を思い出したりもします。
映画も過去に起こった事の再現であるとするれば、記憶装置のようなものでもあり、主人公が苛まれ続けるのも、なんとなくわかってくるような気もします。
複雑な事情や政治状況を取り込みつつ、個人に還元されていく映画ですね。
たむ

たむ