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ジャズ・ロフトのchaooonのレビュー・感想・評価

ジャズ・ロフト(2015年製作の映画)
4.2
ジョニー・デップが『MINAMATA―ミナマタ―』で演じた写真家ユージーン・スミス📸
彼の写真家としての軌跡と、彼が住んでいたマンハッタンのロフトで連日連夜繰り広げられたジャズセッションを回顧するドキュメンタリー🎥✨
ユージーンのモノクロ写真とジャズのリズムに乗せて、ひたすらお洒落な時間を満喫🎹🎶✨

6番街の廃屋のような5階建てロフトを格安で借りたのは無名の画家🎨
大都会でセッションの場を求めて若いミュージシャンたちが集い、そこはミュージック&アートのスタジオとして賑わいを見せる✨✨

ユージーンもこのロフトに移り住んだ1人だったが、彼らの活動を写真として収めるのと並行して、あらゆる「音」を録音機で記録していたとか🎤
セッションの音源だけに留まらず、ラジオの音声、自らが掛けた電話の会話、廊下や室内での会話、等、実に4000時間と言うから驚き!!!

無名のアーティストから、名の知れたミュージシャンまで、ジャズを愛した数多くの人々がこのロフトに集い、この時代を象徴するような煌めきを放つ✨
中でも貴重となった『セロニアス・モンク・オーケストラ・アット・タウンホール1959』の様子が後半盛り上がりを見せる🎶✨

このロフトで繰り広げられるジャズセッションや時代の移ろいを中心に描きながら、写真家ユージーン・スミスその人の在り方も見せてくれる本作。

壮絶な第二次世界大戦での体験や、太平洋戦争中の沖縄での負傷とその後遺症、家族と移り住んだ田舎町での活動、ライフ誌との軋轢。
家族から逃げるように住みついたロフトでの生活。
カメラマンとしてのこだわりや心に宿す信念、そんなものを垣間見れて見応えたっぷりでした❣️


合わせて現在開催中のユージーン・スミス写真展「The Glow of Mercy-愛と真実の日々-」にも行って来ました📸✨
http://www.gallery-bauhaus.com/210907_smith.html

このドキュメンタリーにも登場する写真も何点かあって、実際に生の写真も見れて感激🤩✨
モノクロ写真の深い陰影が創り出すコントラストと奥行きが美しくて吸い込まれそうな写真ばかり✨
中には戦場の写真もあり、胸がキュッとしました…🥺

本編中で、ユージーンの現像のこだわりにも触れていたけど、暗めに焼き付けや写真のハイライト部分を漂白剤を使い手作業で白くしてると言うこと!!!
しかも綿棒を使ったかなり緻密な作業の繰り返しで、1枚の写真に200枚とかトライするとか😳
今なら加工ソフトで簡単に出来ちゃうであろう作業を、デジタルなんてないこの時代にアナログでやってのけたと言うから、ホント凄い✨
アナログだからこそ出る強さもきっとあると思う✨✨

漆黒の闇と、目に痛いくらいの輝く白が対比する写真は本当に圧巻だった!
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