kuu

AWAKE アウェイクのkuuのレビュー・感想・評価

AWAKE アウェイク(2021年製作の映画)
3.6
『AWAKE/アウェイク』
原題Awake.
製作年2021年。上映時間97分。

人類が眠りにつく能力を失いパニックに陥った世界を舞台に、愛する子どもたちを守ろうとする母親の戦いを描いたアクションスリラー。
ジーナ・ロドリゲスが、孤軍奮闘する母親役を熱演。
共演にフランシス・フィッシャー、ジェニファー・ジェイソン・リー、バリー・ペッパー。
Netflixで2021年6月9日から配信。

元軍人のジルは、研究所で警備員として働きながら、職場から盗んだ薬を売人に横流ししていた。
ある日、高校生の息子ノアと小学生の娘マチルダを乗せて車を走らせていると、突如として車の操作ができなくなり、別の車に追突されてしまう。
車ごと湖に転落し命からがら脱出したジルたちは、原因不明の大規模な停電が発生していることを知る。
そしてその日を境に、ほぼ全ての人類が眠ることができなくなってしまう。そんな中、マチルダだけはなぜか眠ることができ、ジルは娘が人類存続の鍵を握っていることを知る。。。

なっかなか寝つけへん。
寝ても眠りが浅くて、疲れがとれへん。
寝よう寝ようと思うと、よけい眠れなくなっちまう。
このレベルの不眠症状はよくあるし、良く聞く。
小生も不眠症で(不眠と捉えるかいなかは難しいですが)、最長3日眠れなかったが、結果、気絶するように眠ってた。
だから、開き直ってショートスリーパーを公言するようになり、明石家さんまとかもそうやと知り気分的に楽になった。
しかし、これから先に眠りにつけないんちゃうん?
と云う恐怖心は身をもって知ってる。
むかしから、動物やヒトから睡眠を奪って生じた問題から睡眠の役割を見つけだそうと断眠実験が行われてきたそうやけど、動物の断眠実験やと、動物を眠らせないようにすっと、食事の量は増えるのに体重は減少し、体温が低下し体毛が抜けおちて皮膚に潰瘍などを生じて数週間で死んでしまいましたとある。
せやけど、人間ならどうなんやろか?1959年に小児麻痺救済の募金集めのためにトリップちゅうDJが200時間にわたって一切の睡眠をとらずにニューヨークのタイムズスクエアのガラスのブースから放送を続けた。
さらに1965年にはカリフォルニアの17歳の高校生のガードナーがこの世界記録に挑戦し、264時間12分の断眠の新記録を樹立しましたそうです。
この挑戦で2名とも、不眠が原因で死んでへんし、大きな身体的問題も無かったそうです。
せやけど、実は4日目ころから集中力の低下や幻覚や猜疑心など精神的な変調がみられて、また、この2名の世界記録の挑戦者ほど長時間ではないけど、ラボで行われた研究でも断眠3~4日目になると被験者に錯覚や幻覚が生じたことが報告されてる。
これこそが不眠の怖いとこなんやろな。
つまり、2晩以上、完全な徹夜を続けると、身体的に大きな問題はなくても精神的にはかなり危険な状態に陥る。なお、現在のギネスブックは健康に対する影響が大きいことから断眠の世界記録を認めてへんそうです。
寝ないとヒトは死ぬのかどうかに結論はつけられんけど、食事と同じで睡眠をとらないことは非常に危険なことは間違いないんやろな。
また、不眠と爆音、そして敵兵の恐怖恐怖からベトナム戦争でもアメリカ兵は自国の兵隊さんのケツを銃で誤射しまくってたと聞くし。

さて、今作品はすが、
『バード・ボックスBird Box』や『クワイエット・プレイスA Quiet Place』のような、認識されたルール(この場合は不眠症)を中心に、黙示録的またはポスト黙示録的なストーリーを構築しようとする作品に似ているように感じられたかな。
『バード・ボックス』や『クワイエット・プレイス』とは異なり、本作品はモンスター映画じゃなく、社会の崩壊が脅威となってて、スティーブン・キングの『ミスト』みたいな作品でした。
社会の崩壊すると、どないなモンスターよりも人類の方がより脅威であるという適切な比較対象として役立ってるかな。
今作品は、最初の20分で、社会が『パージ』に近いレベルの狂気と騒乱に陥ってしまう。
そこで、映画製作者は、自分たちの前提にそれほど肉付けがないことに気づいたのかもしれません。
社会崩壊の要素はどれも、それほど面白くなく、必要最低限の努力で行われ、宗教的狂信者、略奪者、放浪する囚人など、このジャンルのお馴染みの定番がほとんど出てくる。
しかし、主人公の名前すらわからないうちにシナリオがエスカレートしていくなど、すべてが急ぎすぎな上に(マジで)、登場人物も一面的で、気をいれて覚える気にもなれなかった。
ジーナ・ロドリゲスは役柄には残念ながら全く合っていないのは明らかかな。
ジーナ・ロドリゲスは女優として好きやけど、元軍人の燃え尽き症候群というハードエッジな役柄は絶望的にミスキャストで、この役を売り込むのに必要な強さが伝わってこなかった。
ある意味、M・ナイト・シャマラン監督の『ハプニング』でマーク・ウォールバーグが悩まされたのと逆の状況やけど、面白味は薄い。
子供役のルシウス・ホヨスとアリアナ・グリーンブラットは、基本的に感情的に10代の息子(「反抗」の行動として母親をファーストネームで呼ぶなど)と、スリーパーという地位のおかげで早熟な娘のバリエーションを演じて、無表情がいまいち近所のオッチャン心になれんかった。
例えば、バリー・ペッパーは、元麻薬中毒者から牧師に転身し、信徒が過激派に走らないように必死で阻止する。しかし、このキャラが持つ好意は、基本的にキャラよりも俳優から来るものであるため、こないなアンダーライティングな役柄となっている。
今作品には、ほのかに興味をそそる前提があるのはあるんやけど、それをどこに持っていくか、どのように探求するかというアイデアがなく、一般的な黙示録的ロードムービーの型にはまった展開に落ち着いている。
ジーナ・ロドリゲスは、彼女の強みを生かせない役柄にミスキャストされ、信頼できる個性派俳優が何人かまともな演技をしているが、ほとんどの脇役は当たり障りのないものから意図せず笑えるものまで様々でした。
今作品は、笑ってしまうわけでもなく、寓話的・風刺的な主張をしようとしているわけでもなく、
『パージ』のように大げさに搾取しようとしているわけでもなく、ただ場所を取って忘れられるように作られた淡々としたスリラーやったかな個人的には。。。
kuu

kuu