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ナイブズ・アウト:グラス・オニオンのkuuのレビュー・感想・評価

3.7
『ナイブズ・アウト: グラスオニオン』
原題 Glass Onion: A Knives Out Mystery.
製作年 2022年。上映時間 139分。

ダニエル・クレイグが主演し、ライアン・ジョンソン監督がオリジナル脚本で描いた人気ミステリー『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』に続くシリーズ第2弾。
ダニエル・クレイグ扮する風変わりな名探偵ブノワ・ブランが、周囲を海に囲まれた孤島で起こった殺人事件というミステリーに挑む。
富豪のマイルズ・ブロン役のエドワード・ノートンのほか、デイブ・バウティスタ(前作では、ダニエル・クレイグがボンドガールを演じたアナ・デ・アルマスと共演しています。今作品では、ダニエル・クレイグは、ボンドの悪役を演じたこのデイヴ・バウティスタと共演している)、ジャネール・モネイ、キャスリン・ハーン、レスリー・オドム・Jr.、ジェシカ・ヘンウィック、マデリン・クライン、ケイト・ハドソンら豪華キャストが共演。

今作品は、COVID-19の流行期に作られたフィクションの映画としてはやや珍しく、作中では登場人物がフェイスマスクをつけている場面が実際に見られる。
今作品の舞台がパンデミック真っ只中の2020年5月であることは冒頭で明かされてます。
今、日本ではやっと『マスク緩和ならどう対応』なんて所まで来たし、なんか振り返ると、コロナ禍に感慨深く観始めた。
もちのろ~ん、殺人事件の謎は出てくるが(もしかしたら複数かもしれない!)、
しかし、真のケーススタディは、そのビジネスセンスとクリエイティブな才能で称賛される億万長者の技術界の大物が、実は元パートナーからある素晴らしいアイデアを盗んだエゴイストの間抜けであるのかちゅう点にあるかな。
もうひとつの謎は、脚本・監督のラアン・ジョンソン(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』2017年)が、見事な第1作『ナイブズ・アウト』(2019年)に続いて作った今作品について、多くを語らずに何と書けばいいんやろか。
明らかに今作品はエンターテインメント要素に全力を注いでおり、多くの人がこれを観てそれなりの喜びを見出すことは間違いないとは思うが、個人的には前作よりは。。。

登場人物や容疑者の伝統的な紹介は、先に書いた億万長者マイルズ・ブロン(過剰なほどのエドワード・ノートン)の友人5人に届けられた、一見不可解な木箱の到着で処理される。
バーディ・ジェイ(ケイト・ハドソン)は元モデル。
アシスタントのペグ(ジェシカ・ヘンウィック)にソーシャルメディアからブロックされ、「目覚めた」社会のやり方に無頓着。
デューク・コーディ(デイヴ・バウティスタ)は、拳銃を持ったテストステロンに満ちたTwitchインフルエンサーで、恋人のウィスキー(マデリーン・クライン)とつるんでる。
クレア・デベラ(キャサリン・ハーン)は、惜しくも売却された野心的な政治家。
ライオネル・トゥーサン(レスリー・オドム・ジュニア)は、マイルズから夜中のファックスを受け取る天才的な技術発明家。
最後に、マイルズに卑劣な手段で出し抜かれた元ビジネスパートナーを演じるのはジャネール・モネイ。
それぞれの友人が箱を開けるために必要な複雑なパズルを解いていく。
でも、ジャネール・モネイのアプローチは笑えた。
謎解きが行われている間、探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)がバスタブに浸かり、スティーブン・ソンドハイム、アンジェラ・ランズベリー、カリーム・アブドゥル・ジャバーといった友人たちとズームコールしながら、刺激的な事件を願う姿が映し出されている。
イーサン・ホーク、ヒュー・グラント、セリーナ・ウィリアムズ、ナターシャ・リヨンヌ、ヨーヨー・マなど、有名人のカメオ出演はこれが最初。
木箱の中から発見されたのは、マイルズの豪華なプライベート・アイランド・リゾートで開催されるマーダー・ミステリー・パーティへの招待状。到着したマイルズは、5人しか招待状が送られてこなかったため、ブノワが招待状を受け取ったと認めて困惑する。
5人の仲間は 破壊者("Disruptor ")と呼ばれ、それぞれがマイルズの資金援助を受けながらも、復讐の理由を持っていた...プールを囲みながらモネイが毒舌で指摘するその理由とは。。。
ブノワ・ブランはマイルズが計画した殺人ミステリー・パーティーを開始前から台無しにしてしまうが、本物の殺人事件が発生すると、事態は一気に加速する。

前作では、クリストファー・プラマーの世代交代をめぐる争いに焦点を当てたけど、今回の作品では、権利意識が強く、甘やかされ、常識はずれに描かれた新富裕層に対するジャブ(風刺にはとどまらない)を選択してた。
ジョンソン監督は、社会と登場人物のコミカルな側面に焦点を当てることを意識的に決め、その結果、その場では気分がいいが、もう少し中身が欲しい惜しいエンタメになってたかな。
それでも、数年後には『Knives Out 3』が予定されており、さらに違ったアプローチで楽しめることを期待しています。

横道ですがふと思たのは、今作品は、地中海の島に6人のゲストを招き、緻密に計画された謎を解いていく風変わりなホストの物語である『シーラ号の謎』(The Last of Sheila.1973年)からインスピレーションを受けてるそうで、合点がいきました。

余談ながら、これよりネタバレに抵触しますので、お読みの際はお気を付けください。🙇

タイトルの由来となり、ラストに流れる『Glass Onion』ちゅう曲は、この映画のテーマと一致している。
ジョン・レノンは、ビートルズの音楽の中に存在しない秘密のレイヤーを見つけようとするファンを困惑させるために、『Glass Onion』を書いたそうやけど、彼はその傾向を迷惑に思っていた。
彼は、ビートルズの他の有名な曲からランダムに歌詞を引用して、深い意味が隠されているように見せかけながら、実は何の意味もない。
この曲は、それ自体がガラスの玉ねぎなんやろな。
また、映画やテレビでは、モナリザはキャンバスに描かれたちゅう誤解がメチャクチャ多い。
しかし、モナリザは、実は木(ポプラ板に油彩で描かれた板絵)に描かれてる。
今作品では絵が燃えると、絵の具がはがれ、その奥に光る木の構造が見えて、木に描かれたように見えるのは凝った描きかたやった。
あ!あと、映画の中で時間が関係する場面で、カメラはオメガ・シーマスターを装着したダニエル・クレイグにしっかりとズームインしています。
クレイグがボンド役を務めている間、彼はオメガのシーマスターを着用し、宣伝してた。
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