Cisaraghi

漁村の片隅でのCisaraghiのレビュー・感想・評価

漁村の片隅で(2020年製作の映画)
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見終わってからカメルーン映画だったことを知った。もちろん、初カメルーン映画。英語と現地語が入り混じったような変わった言葉が使われていた。カメルーンピジン英語というらしい。

世界には教育を受けたくても受けられな人がいることは想像がつくが、教育を受けたことがなく、教育を無益と見なして敵視する人たちもいるのだと目の当たりにすると少なからず衝撃を受ける。女子教育に至っては有害と信じ込み、何とかして教育を受けようとするエカ12歳を、暴力を使ってでも阻止しようとする父、その父をさらに唆す人非人の叔父。予想を超えて痛ましくおぞましい方向へ進む話に観ているこちら側の絶望も極まるが…。

実話に基づいた話と出ていたので、その実話を探そうとしたがまだ見つからない。万事休す…からどうなったのか、その辺りをもっと描いて欲しかった。似たような境遇にある女子、似たような経験をした女性たちのためにも。
 お母さんが、お父さんに教育がないことをを詰るエピソードは、実話に基づいているからなのか、お父さんに何らかの同情を集めるためなのか、そこが気になる。

見たところ貧しそうな漁村だが、主人公エカをはじめ、女性たちの着ている服の柄がとにかくお洒落で眼福。音楽はカメルーンの流行り?

カメルーンでは、教育がある男性もない男性も、女性蔑視、男尊女卑という点では大して変わらないようだ(ついでに日本とカメルーンもそこまで変わらないような…)。そのことを体現する校長先生役の方は、ノリウッドの有名な俳優さんらしく、カメルーン人らしく見せるためか、色を黒くするメイクをしていた、というエピソードが興味深かった。
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