これ大好きです
作品としてクオリティ高く、それ故きちんとメッセージを届けられるという。
都会のウサギ「ラルフ」への密着ドキュメンタリー。
動物実験に従事する彼の生活インタビュー、仕事、そして……という4分。
メッセージとしては所謂、反動物実験。
何が凄いって、
「北風と太陽」戦法というか、懐柔策と言おうか。
受け入れ難い筈の内容なのに、
責めずに友好的な態度で提示してくるものだからすんなり聞き入れやすい。
擬人化されたウサギのラルフ。
本来人間が言いそうな台詞を笑顔で語る。
「でもこれは人間達の為だからいいと思う」
「動物たちより人間は偉いから」
大丈夫、幸せだよ、と言うラルフ。
「いや、そんなはずないじゃん」
と思うと同時に、酷いことしているんだよな…… と気がつく。
ミラーリング(※心理学でなく差別問題のほう)というのだろうか。上手い。
そしてストップモーション、造形のクオリティが高い。
演出もぴかいち。通勤〜終了までの流れの凄まじさ。
兎は涙と鳴き声がほぼ出ない、
よく殖え扱いやすく、化粧品系の動物実験に使われがち。
(※作中では落涙する)
あの「見た目のひどい」拘束具ですが、激痛に暴れて頸を折ることもある。
(業後、首にコルセットしている……)
Ralphは世界中にたくさん居る。
正直これを見たからと言って活動家にはならないが、
自宅のシャンプーのクルエルティフリー表記を見て安心する等した。
この、観る側にわからせてくる作りがやっぱり好きです。