とうがらし

上には上があるのとうがらしのレビュー・感想・評価

上には上がある(1940年製作の映画)
3.7
バディもの映画の系譜を遡る。
「ベイビーわるきゅーれ」「キューティ・コップ」「デンジャラス・バディ」「ジャンプストリート」「Mr.&Mrs. スミス」「スパイキッズ」「メン・イン・ブラック」「レオン」「バッドボーイズ」「ポリス・ストーリー3」「テルマ&ルイーズ」「ラッシュアワー」「ロジャー・ラビット」「あぶない刑事」「リーサル・ウェポン」「48時間」「スティング」「俺たちに明日はない」「チップとデール」「トムとジェリー」
その原点は、「トムとジェリー」のプロトタイプ短編「上には上がある」から始まる。

なぜ、バディものは暴力行為がつきものなのか。
その理由は、本作の家ネコと家ネズミ。
「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」(=「仲裁するのも馬鹿らしい」)の物の例えを表現したのがそもそも原点だった。

「上には上がある」で家のペット(動物)同士だったものから、
「俺たちに明日はない」で男性と女性(前科者とウェイトレス)
「48時間」で白人男性と黒人男性(刑事と囚人)
「ロジャー・ラビット」で動物と人間(アニメと実写)
「テルマ&ルイーズ」で女性同士(専業主婦とウェイトレス)
「ポリス・ストーリー3」で香港人男性刑事と中国人女性刑事
「ラッシュアワー」で黒人男性刑事と香港人男性刑事
「バッドボーイズ」で黒人男性刑事同士(金持ちと貧乏)
「レオン」で大人と子ども(孤高と孤独)
「スパイキッズ」で子どもの姉弟(秀才と弱虫)
「デンジャラス・バディ」で女性刑事同士(傲慢と野蛮)
「ベイビーわるきゅーれ」で女性ニートと女性失業者(怠惰と達観)になる。

社会からの疎外を感じる者同士が、誰からも仲裁されることなく、共通の敵を持って協力・対立し、暴力的に自虐する。
コンビの変遷から、社会の変容、時代の変化を感じ取ることができる。
次なるバディものは、どんなコンビが誕生するのだろうか。

本編
https://www.youtube.com/watch?v=giKVBhpwaZw
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