tamic

コーダ あいのうたのtamicのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0
ウェルメイドなヒロインの自立の物語。俳優たちの演技が熱っぽく、映画全体に勢いを与えており、作品テーマと呼応して相乗効果をもたらしいている。愛にあふれていて、元気が出るし、癒される。王道ストーリーは苦手という人以外の全ての人におすすめできる、安心、安全な映画。

手話による会話が表現する、さまざまな感情や余白、聾唖者の無音の世界に、今まで知らなかった観点を得た。もう生きてきて長いけれど、久しぶりに世界が広がる感覚。それはつまり聾唖者はじめ障害者から見える世界を描いた作品がとても少ないということなのだと思う。映画のなかで、マイノリティはマジョリティの消費のためだけに存在してきたということ。自分は相対的にマジョリティになりうるという意識を忘れないようにしたい。
tamic

tamic