コーダ あいのうたのmurafishのレビュー・感想・評価

CODA（コーダ）＝耳の聴こえない家族を持つ健聴者

本当に素晴らしい映画。終盤、終わってしまうのが惜しい、とすら思った。音楽の夢を抱く娘。でも家族のため、封印しようとする。娘の夢が気になりつつも、家族で唯一聴こえる娘を頼ってしまう両親。実際、CODAの子には同じような物語があるんだろう…

どうしようもなく切なくなる瞬間が重なる。斬新な演出が残酷に思えつつも、現実を突きつけられ、ドキュメンタリーを観ているような錯覚も感じる。家族を襲う試練。それでも家族の強さを感じさせてくれる。

聴こえない人の役は実際に聴こえない俳優さんが演じたと言う。監督はこの映画のために手話を覚えた。『君の手がささやいている』『愛していると言ってくれ』など、耳の聴こえない人を描いた名作も色々見てきたけれど、この作品も主演のエミリア・ジョーンズの歌声とともに、忘れられない一つとなりました。超オススメです。