しょーた

うみべの女の子のしょーたのレビュー・感想・評価

うみべの女の子(2021年製作の映画)
4.7
衝撃の実写化。
思春期の中でも15歳あたりの季節を
見事に切り取った作品。

なんだったんだろうなあの頃。
思えば台風のようだった。

自分の内側には、
とてつもなく広大な世界があって、
でもいつも、性欲とか、
自分への嫌悪とか、
何か足りない焦りとか怒りとかが
渦巻いて、世界を占めている。

でもある日、憑き物がとれたように、
まるで海が凪ぐように、
この退屈で永遠に続く日常を、
生きていく術を身につける。

思えばあれは、
ただの風だったんだ と感じる。
でもそれは深く切実にならないよう、
いろんなものを保留にして
ここまで来てしまったのかもしれない。
もうあの頃には戻れない。

小梅と磯辺
爽やかでもなく、ひたすらに痛々しい、
この2人の青春模様は、
どこか身に覚えのあるあの頃の残酷さを、
生々しく切実に突きつけてくる。
しょーた

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