衝撃の実写化。
思春期の中でも15歳あたりの季節を
見事に切り取った作品。
なんだったんだろうなあの頃。
思えば台風のようだった。
自分の内側には、
とてつもなく広大な世界があって、
でもいつも、性欲とか、
自分への嫌悪とか、
何か足りない焦りとか怒りとかが
渦巻いて、世界を占めている。
でもある日、憑き物がとれたように、
まるで海が凪ぐように、
この退屈で永遠に続く日常を、
生きていく術を身につける。
思えばあれは、
ただの風だったんだ と感じる。
でもそれは深く切実にならないよう、
いろんなものを保留にして
ここまで来てしまったのかもしれない。
もうあの頃には戻れない。
小梅と磯辺
爽やかでもなく、ひたすらに痛々しい、
この2人の青春模様は、
どこか身に覚えのあるあの頃の残酷さを、
生々しく切実に突きつけてくる。