たむ

フラワーズ・オブ・シャンハイ 4K デジタルリマスター版のたむのレビュー・感想・評価

3.6
台湾の巨匠ホウ・シャオシェン監督が描く上海の高級遊郭の物語です。
今年「ホウ・シャオシェンの映画術」も出版、台湾映画も元気になってきて再注目を集めています。
本作は遊郭の室内のみで話が展開します。
外で客たちが何をやっていたかは観客の想像に委ねられますが、高級遊郭に遊びに来ているので成功者なのでしょう。

アヘンの煙が充満したり、お酒やゲームで現実逃避している時ほど、本作の美術と衣装の芸術性は高まっていきます。
物語に起伏がない分、映像美に入り込み、舞台劇あるいはその場で展開しているような臨場感があります。
監督の映画術でも本作について書かれています。
本では難しくて何を言っているのか分かりませんでしたが、映画を観れば狙いがドラマよりもかつての上海の高級遊郭の中に入り込んだ感覚、再現であったことがわかりました。
ホウ・シャオシェン監督の映画は物語よりも世界の再現、再構築にあるような印象を受ける芸術映画ですね。
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