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アミューズメント・パークのこどものレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
3.0
ロメロが教会から依頼されて制作した啓蒙教育映画。
ある老人が「大切なもの」を支払い入園できるアミューズメントパークという名の社会の縮図のなかでフルボッコに虐げられる様子をひたすらに描き続ける。啓蒙映画なのでそれ以上でも以下でもないのだが、それでも流石キラリと光るカット割りと演出が垣間見える。
老人のリハビリトレーニングが「アトラクション」にされていたシーンが一番意地悪くて気に入った。

老人はアミューズメントパークのなかで誰からも見向きもされず孤独なのだが、唯一年端もいかない幼児だけが彼に構ってくれる。冷徹な社会に未だ侵されていない子供だけが、老人を唯一救える希望であることを描き、更に啓蒙映画ならではのエピローグ的な「語り」によって、若者の高齢者支援の必要性をダメ押してくる。
時代は移ろい、老人と若者のパワーバランスが逆転した現代に於いてその押しつけはうざすぎる。
もしこれを今リメイクするなら、主役は若者で、老人で溢れるアミューズメントパークになるのかもしれない。
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