とても難解。
上映後、前の熟年夫婦が「全然分からない…」呟いていました😅
怪死した母の葬式の出席に向かうボー(ホアキン・フェニックス)の悪夢の道行を描いたジャンルレス映画です。
アリ・アスターは、色々な作品の暗喩をあえて見せる監督です。
自分が感じたのは、
全体のベースは『トゥルーマンショー』。
ルックは、『ブリキの太鼓』〜『鳥』『ゾンビ』〜『インランド・エンパイア』〜『オズの魔法使い』〜『未来世紀ブラジル』…まだまだ沢山あるでしょう。
難解な作品ではありますが、感じる作品として捉えると魅力的なシーンの連続です。
特に冒頭のSEは素晴らしい!
映画館の音響ならではの体験です。
また、途中で挟まれるアニメーションは『オオカミの家』の監督のものです。
この作品の独特の作風に色を添えています。
今まで以上に賛否が分かれそうな作品ですが個人的には好きです。
再見して、空白のパズルピースをはめていきたいです。
ここから先は内容のネタバレ含みます。
自作の『ヘレディタリー』『ミッドサマー』からのテーマである家族の在り方を今回も描いています。
観た後に再考していくと…
母の庇護、神のような支配が全編に渡り描かれている事を感じます。
特に『ヘリディタリー』の祖母と家族の関係とは同義に感じました。
母の胎内からの誕生に始まり、胎内への回帰に終わる水の描写。
絶対に母から逃れられないボーの一生…
アリ・アスター監督は、この作品を自身の母に捧げていますが、2人の家族関係はどうなっているんだろう…
気になります。
因みにアリ・アスター母は、ラース・フォン・トリアーやミヒャエル・ハネケの作品が好きなんだそうです。
この母にしてこの子あり