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ボーはおそれているのnoborushのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

Beau Is Afraid 2023年作品
5.5/10
アリ・アスター監督脚本
ホアキン・フェニックス パーカー・ポージー
エイミー・ライアン ネイサン・レイン パティ・ルポーン
強迫神経症の主人公(フェニックス)が気がすすまないが母親(ルポーン)
に会いに行こうとする。
母親はシングルマザーで社会で成功していたが主人公に対して高圧的だった。
不運の連鎖で行くことが出来ないうちに母親が
事故で死んでしまうが、それでも葬式にたどり着けない。
アリ・アスターの「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」はかつての
ホラー映画のテイストを現代に蘇らせたことで成功したが、本作は
大分違う。
冒頭に主人公の生きている世界というものが完全に狂っていて、
どことなくミシェル・ゴンドリーとかスパイク・ジョーンズ的な印象。
(ゴンドリーもジョーンズも個人的に大好きです)
おかしな方向に作り込まれていて、現実味に乏しいのだけれど、
それが主人公の心象風景なのか、現実なのかがはっきりしなくて、
さらにそこに主人公の記憶や想像が絡んでくる。
そうしたバラバラなシーンを組み合わせる意図は、観客がこの世界が
作り物であることき気付かせないようにするためなのだろうけど、
演出としてはとても狡いと思う。
だんだんと違和感を抱かせるような演出でないと駄目だろう。
オチは母親が総て仕組んでいて、監視して、最終的に親不孝な息子を
罰するというもの。
ダークな「トゥルーマン・ショー」。ボートで逃げるところも
トゥルーマンのヨットの脱出を意識していると思う。
また親不孝もだけれど、全く魅力の無い主人公に、かつての幼なじみが
中年になっても惹かれあう展開は無理がありすぎる。
期待していただけに残念だった。
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