OSHO

対峙のOSHOのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
4.3
心がヒリヒリする会話劇。

6年前、高校で銃乱射事件が起きた。
犯人の高校生は同じ学校の生徒10人を殺し、自殺した。

そのうちの1人の被害者側の両親は6年経っても、事件を引きずったまま。犯人側の両親とは手紙のやりとりはしていたが、それぞれの両親4人で会って話し合いすることになる。
サポーターは別室で控え、4人だけの会話が始まる。

被害者側の
夫は、なるべく大人の対応をしようとする
妻は、ちょっと敵意をむき出している
加害者側の
夫は、理論的で権威主義的な人
妻は、感情的な人

ここから先は、人それぞれの見方で良いけど、私は、
加害者側の夫が、殺された10人の子どもがどのような経緯で殺されたのか詳しく知っていたこと、
そして、加害者側の家族が、社会から十分に制裁を受けていたことを、
被害者側の両親が知ったあたりから一気にストーリーが動きましたように感じた。

最終的には、初老と言っても良いような、大人の4人が、ちょっとは心が動いたこと、そして、ちょっとは癒やされたこと。

重いけど、素敵な映画でした。

それから4人が話し合う場所は、キリスト教の教会。
教会でキリストの十字架の前では、怒ったり、嘘ついたりしずらいし、こういう話し合いには最適な場所
欧米の教会にはこういう役割もあるのですね。

事実を元にはしているそうですが、すべてフィクション。ただ、ノンフィクションを見ているような緊張感のある映画でした。
それぞれの両親役の4人の俳優には脱帽。
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