ルイまる子

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのルイまる子のレビュー・感想・評価

3.8
あまり言う事もない。きれいな映像でミュージカル風の楽しい作品。良かった所はまさに19世紀産業革命の時代?かどうか分からないが、19世紀ロンドンの様で、台頭してきた商人たちが(映画の中では貧民が貧民を騙す)こき使う様子や、こき使われる労働者が死ぬまで続く単純労働、不潔な環境、劣悪な止まらない日々(地下から)地上に逃げ出しチョコを小売りする。いつの日か借金を返して自由になるぞ!という姿を描いていた所。そういう感情を描いていたところが良かった!


チャーリーとチョコレート工場、大好き過ぎてジョニー・デップバージョンは何度も見ているし、ウィリーウォンカのトリックスターぶりや、小説ロアルド・ダールの宗教的背景や神話についても宮崎駿の最新作『きみたちはどう生きるか』にも通じて、面白いことこの上ないのに、本作にはそれはない。本作は2023年バージョンで、子供への教訓等は一切なく、ウォンカの捻くれたキャラクターや皮肉はなく、素直でハンサムで、歯医者のお父さんから受けたトラウマも抱えておらず、母子家庭だが幸せな設定だ。ウンパルンパはアフリカの土人ではなく、お育ちの良い高貴なイートン校、オックスフォード卒の白人代表、ヒュー・グラントが演ったりしてるところも逆転して描いている。
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