福福吉吉

わが名はキケロ ナチス最悪のスパイの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
第二次世界大戦中のトルコ、イリアス・バスナはイギリス大使館の執事の仕事に従事しながら、影でドイツ大使館に情報を売っていた。ドイツに自分の正体を明かさないため、イリアスはコードネーム「キケロ」と呼ばれるようになった。そんな中、イリアスはドイツ大使館のモイズイッシュの秘書のコルネリアと交際するようになるが、ドイツの障害者を殺害する「T4作戦」を知ったコルネリアは障害者の息子を助けるため、イギリス大使館に近づき、キケロの正体を探り始める。

トルコを舞台に第二次世界大戦を描く作品として、スパイとして活躍した実在のスパイ「キケロ」に焦点を当てており、キケロのことを知らなかったので、新鮮に楽しむことができました。

イギリスとドイツがともにトルコを味方に引き入れようとするところを、ドイツに情報を流し、イギリスの計画を失敗させるイリアスでしたが、途中までイリアスが何を意図してドイツに情報を流しているのか分かりませんでした。

そして、ドイツ大使館の秘書、コルネリアと恋に落ちてイリアスはコルネリアと愛し合いながら、一方、ドイツ大使館のモイズイッシュに情報を売る危険な橋を渡るのですが、いつイリアスが「キケロ」だとバレるのか観ていてヒヤヒヤしました。

そして、終盤の見事なまとめ方は思わず拍手するほど素晴らしかった。

凄い演出や派手なアクションはないけれど、ストーリーの緩急とスリリングな展開が絶妙で、かなり面白かったと思います。
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