りょーこ

名もなき歌のりょーこのレビュー・感想・評価

名もなき歌(2019年製作の映画)
3.5
産まれた我が子に名前をつけることも抱くことさえも出来なかった母親はただ想いを馳せて歌うのみ……

実話ベースのペルー産モノクロドラマ

当時の貧困やそれによる暴動、人身売買等の社会問題を、静かに淡々と描いた作品でした。

ジェンダー問題にまで手を出したのはちと余計だったかも?
これも実際の話ならば良いけれど、あまり本筋に関係が無かったので。



1988年ペルー。
史上最悪のインフレにより、貧困問題が深刻化、あちこちでテロや暴動が起き、停電や断水も日常茶飯事である。

そんな中でも、23歳で躍りの名手レオと20歳のヘオルニナは結婚し、間も無く子供も産まれそうだ。

ある日ラジオで、妊婦に無償医療を提供すると流れた為、ヘオルニナはその産院にて出産。

しかし、何故か産まれた娘と会わせて貰えず、暫くして産院も消え去ってしまう。

娘を取り戻そうと警察等に訴えても動きがない為、ヘオルニナは新聞記者ペドロに事件を伝えるのだが……



何も与えられない母親といることは果たして子供の為となるのか?

先住民で貧しい暮らしをしている若い夫婦。
子供が子供を産むようなもの。
確かに満足に教育を受けさせることも出来ないだろう。

が、勝手に売り飛ばすのはやはり問題があるよな。
子供の為を思えば、簡単に悪とは決めつけられないけれど。
でも相談した所で絶対に拒否するだろうし。

難しい問題ですね。
こういう貧困層を見ると、教育は本当に大事だなと思います。

モノクロ故、闇がより深く感じられました。
りょーこ

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