トールキン

キャラクターのトールキンのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
4.0
ダークでシリアスでサイコな雰囲気に冒頭からもう引き込まれて自然と見入ってしまう。普段サスペンス系は全然見ないけどサスペンス特有の、話が進むにつれて段々と核心に迫っていく感じにハラハラドキドキする。終盤の展開にはしてやられてさらにその先の最後の最後までオチが読めなくて、???な終わり方も良い意味でモヤモヤを残すような締め方で良かった。予想してた以上のエグい内容と描写の連続で鑑賞後はなかなかの疲労感だった。
そういったおどろおどろしさやグロさと言えば真っ先に韓国映画を思い当たるが邦画でこのクオリティは個人的にあまり過去に見たことない。そんな生々しく暴力的な描写に感心させられる。

菅田将暉はどの作品でも安定の主役としての自然体な役柄が良かったけど、今作のMVPは完全にFukaseさんだった。この人本当に演技自体が初挑戦てのが信じられないし役に憑依するって正にこういうことなんだな。イカれ具合が本当にヤバい人だったし、セカオワとしてのFukaseファンはこれ見てどう思うんだろうか。
映画の中の絶対的悪役キャラとしてめちゃくちゃ光るものがあったし、悪としてのカリスマ性すら感じさせるような。(別に自分がヤバい人になりたいわけではありませんので笑笑)
本当のサイコパスってこういう人を言うんだな。自分たちが知らないだけで実際に世の中に潜んでいるって思うと本当に怖い。

自分が誰だか分からなくなるくらいキャラクターになりきる。それはお芝居や演技としてではなく自分自身を忘れるくらい憑依する。憑依って言うともはや役に徹底するとか演じるとかそんな次元じゃないんだろうな。サイコパスもそうだけど色んな意味で人間としての怖さも感じさせてくれるスリルたっぷりの作品でした。
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