まーしー

ブレット・トレインのまーしーのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
2.5
東京発・京都行の高速列車“ゆかり”に同乗した10人の殺し屋たちが、時間の経過とともに、少しずつ関わりを持っていく。原作は伊坂幸太郎の『マリアビートル』。

日本が舞台ながら、「トンデモJAPAN」な世界観。
独特の色調の車内や、車窓から見える風景など、日本とは似ても似つかない。
ただ、制作陣が日本を知らないというより、意図した演出であるかのようにも感じる。
日本を意識した異空間として、楽しむぐらいの余裕を持つべきだろう。

本作は、高速列車内のトランクケース争奪戦が描かれている。
登場する殺し屋たちも濃い。
運の悪い殺し屋レディバグや、機関車トーマス大好きレモン、毒を自在に扱うホーネストなど、その設定がユニーク。

劇中、「?」と思う場面が登場するも、後半でしっかり伏線回収される。
パズルのピースがはまっていくかのようなシナリオは、いかにも伊坂作品らしい。
ブラッド・ピットや真田広之の出演のみならず、サンドラ・ブロックがカメオ出演するなど、キャストも非常に豪華。
アクションも見応えがある。

このように、1つ1つの素材が豪華な「幕の内弁当」のような作品。
原作が日本の小説ということもあり、一度は観ておきたい映画だった。
ただ、この世界観は私には合わず。中国人らしき人物が日本人の設定で登場するなど、ディテールが没入感の阻害要因となった。
できれば再鑑賞して伏線を楽しみたいところだが、結局、再鑑賞しないまま、今レビューを記している。