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ドライブ・マイ・カーのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.9
ドライブマイカーを観ました。

この映画は、アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞したとのことで、とても楽しみにしていたのですが、ちょっと不思議で難解な映画でした💦

不思議と言うのは、大きな事件が起きるといったものではなく、淡々としていて大げさな演技はほぼなくて、見る側の心理を大きく揺さぶるような演出があまりないのです。

調べてみたら村上春樹さんが原作なんですね。
どうりで難解なわけだ😆

主な主人公はある舞台演出家の男と、その男が乗る車の運転手を務める若い女性です。
この2人を中心に物語が進んでいくのですが、不思議なのは、2人がドライブに行くようになるまでの前置きシーンとても長くて、でもそれがあまり退屈ではなくて、妙に先が気になり、引き込まれるところです。

この自然と先が気になる演出は素晴らしいです、監督さんのなせる技でしょうか。

この先、多少ネタバレになりますので、注意してお読みください。


この映画、雰囲気の不思議さだけでなく、夫の言動にも奇妙な点があり、そこがずっと気になって先をみたくなります。

例えば、夫がある事件を目撃して、ところがその事件の目撃を自分の中にしまいこんで誰にも話さない、と言う選択をするのですが、見ている側は誰しもがなぜだろう?と思います🧐

夫と妻の関係を表す演出として意識したものだと思いますが、見る側はずっとそれが気になる。

なぜ彼は激怒しないのか?そんなモヤモヤを抱えながらずっと彼の姿を追うことになるのですが、後半終わりの方で、ようやく男の心情が明らかになるセリフがあります。

僕はこの映画から考えた事は、人に依存しすぎることの影響の是非です。

依存し過ぎると、相手を失うことの影響が大きすぎて、しがみつくしかなくなり、対等な立場でいられなくなる。
そして相手を失った後の喪失感が半端ないと言うことと。
よく失恋でも自殺や、夫婦の片割れが居なくなって自殺するなど、人生を投げ捨ててします人がいますが、依存しすぎた結果ではないか、と思ったりします。

でも一方では、それ以上にそこまで人を愛したことが、人生においてはきっとプラスになるだろうなと思つたりします。

どっちがいいかは、わかりませんが、人それぞれが自分で答えを見つければいい。

いや〜、そんな逃げるような感想ですいません💦

少し話変わって、運転手の女の子にもなかなか人には話せない壮絶な過去があります。
2人は舞台が終わるまでの数ヶ月、一緒に過ごすうちに様々な出来事を経験。

そして、2人の出会いを通じて彼女も新しい人生を歩き始めることができるようになるのか?

人それぞれ大小の違いはあれど、人に話せないような過去や、忘れたいけど忘れられない過去はあるものですよね🥺

この映画、そんな過去に縛られて生きている人たちが、何かのきっかけで、過去を断ち切る
あるいはそんな過去をひっくるめて前を向き直して人生を生きる

そんな姿を通して元気をもらう映画なのかな?😌

ラストシーンを見ると、人は大事にしていたものを手放したときに過去から解放されるのだろうと思う

静かな映画で、元気をもらった感は薄いですが、あんまり人に薦めたくなる映画ではないので、まあ78点てとこですかね。
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