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トリュフォーの思春期のKotaのレビュー・感想・評価

トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)
4.1
“日曜日、子供達は退屈する。”

フランソワ・トリュフォーの傑作と名高い今作をやっと鑑賞。もう押し付けがましくない愛おしさが永遠に溢れ出る可愛すぎる映画でした。ボーイ・ミーツ・ガールかと思いきや小さな街の団地に住む人々とその学区の男子校に通う男の子達を中心とした緩い群像劇。

階段を駆け降りる少年達のタイトルコールから、子供達の顔が画面一杯に映るエンドロールまで至極の一言。この映画の凄いところは観る人によって主役が変わるところじゃないかな。みんなそれぞれ悩みを抱えていたりいなかったり、パン食ったり映画見たりキスしたり万引きしたり。子供達だけでなくその親や先生の人生の一時にもフォーカスが当たるのが良い。個人的には散髪後のリシャールとグレゴリー坊やが可愛いすぎてお気に入り。フランス少年のピュアな髪色とお肌の画面映えがすごい事を監督は本当によく分かってる…。

何気ない日常の中にあるふとした愛おしさ。それを改めて感じさせてくれる殿堂入りの傑作。何度でも観たい。
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