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アンダードッグ 後編のこぼちゃんのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 後編(2020年製作の映画)
4.2
監督 武正晴、脚本 足立紳、訳ありの負け犬ボクサーたち、三人の物語。映画は前編、後編の二本。他に、エピソードを増やした配信ドラマあり(ABEMA)。

アンダードッグは、"かませ犬"、転じて"負け犬"のこと。

末永晃(森山未來)が送迎していた、デリヘル嬢は男のDVを受けており、娘にも自分自身がネグレクトやDVをしてしまう。デリヘルの店主は、新興ヤクザの風俗店に女の子を奪われ、復讐を思い立つ。

大村龍太(北村匠海)は、過去の因縁から暴漢に襲われ、目に傷を負う。今度、ダメージが加わると失明の危機を医師に宣告される中、コーチや妻と将来について話す。

崖っぷち同士の二人の戦い、迫力がありました。勝ち負けではなく、飛び散る汗や血に、引き込まれる。勝っても負けても、その生きざまが、ヒーローの愛する者たち。

ボクシングと言えば、世界王座戦20連勝、4階級制覇、18KO勝利、世界王座戦70秒での最短KO勝利の井上尚弥。コーチは実父で二人三脚、世界の強豪との戦いには、事前にビデオを見て徹底研究。トレーナーには、世界チャンピオンのドネアなどを招いて毎回、猛特訓。

そのドネアとの初回対決は、最終ラウンドまで戦うハードな戦いで始めて出血したり、カウンターでダウン寸前、足が痙攣、眼窩骨折でものが二重に見えるなどの死闘。判定では執念の僅差で勝利。親交のある二人は抱き合ったり、コーチの父が息子よりも先にドネアの体調を心配してお礼の挨拶に行ったり、負けても丁寧にファンに挨拶するドネア。

さらに、トロフィーを見たがっていたドネアの子供たちの為に、一日、トロフィーを貸して欲しいと頼むと、快く、貸す井上尚弥。ドネアは、満面の笑顔の父子の写真をSNSにアップし、お礼を言う、紳士らしさやスポーツマンシップにほっこりした。

この作品も、勝った負けたではなく、波乱万丈の人生にも、寄り添う沢山の愛が感動的でした。詳細を書いてない、沢山の物語があります。
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