くわまんG

デンバーに死す時のくわまんGのレビュー・感想・評価

デンバーに死す時(1995年製作の映画)
4.0
俺の屍を越えてゆけ!俺のも!俺のも!俺のも俺のも越えてゆけMy Baby!

みどころ:
豪華名優の演技合戦
綺麗に伏線回収する
G.アンウォーの無敵チャーム
ヤクザ映画っぽいエモい脚本
モルトという美味そうな飲物

あらすじ:
元やり手のマフィアだったジミーは、足を洗って事業家に転身。余命少ない人たちの遺言動画を預かり、死後遺族に提供するというサービス業。受けはいいが商売下手で、軌道に乗らない。
するとある日、マフィア時代のボスから誘拐仕事の依頼。断ろうとするも、弱みを握られていることが発覚。仕方なくかつての仲間を募って手を付けたが、腕も判断も鈍っており、あえなく大失敗。
ボスは報いとして、ジミーの追放と仲間の処刑を指示。あたかもそうなることがわかっていたかのような、周到な動きで……。

調子いいときはビシッと決まり、状況が悪化するとはらりはらり垂れてくる、アンディ・ガルシアの雄弁な体毛に燃える良作B級クライムドラマ!

裏社会在籍時から“聖人”なんてあだ名がついていたジミーは、困っている人がいると放っておけない男。誰もが見限る諸々の中毒者にも底抜けに優しく、クズの宿り木といったところ。

そんな優しいクズどもが、「俺たちを見てくれたから」とジミーを庇い、自ら処刑人の餌食になってゆく姿が泣かせます。W.フォーサイスにB.ナン、うまいですねぇ。処刑人はS.ブシェミ、今回はセリフ量が普段の100分の1でしたが、こちらもはまり役。

「一緒にいてほしいの…」一辺倒のお利口さんお嬢さんG.アンウォーがヒロインかと思いきや、希望が宿るのは心からジミーを気遣っていた娼婦ルシンダ。ここもアツい。

ジミーをハメたボスを演じたのはC.ウォーケン、今回は嫉妬の権化。男にも女にもモテるジミーが妬ましくて妬ましくてもぉおおお仕方ないのです…笑。嫉妬狂いにふさわしい顛末が待ってます♪

ジミーの退場に既視感はあるものの、オープニングの伏線回収にもなっていて感動はひとしお。マフィアものというよりヤクザものに近い後味でしょうか。重すぎない演出もよかったですねぇ♫