のりちり

きまじめ楽隊のぼんやり戦争ののりちりのレビュー・感想・評価

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なぜ、川の向こうの町と戦争しているかはわからない。
それも朝の9時から夕方の5時まで。
銃を使うから、死んだりケガもしたりする怖さ。
それに逆らうことなく、皆真面目に毎日同じことをする。
町長は何も覚える気もないけど町長。
他の人もそのことに対して不満もなく暮らす。

兵隊をしていた主人公が1人欠員が出たので、楽隊に回された。
主人公は、5時過ぎると、向こう岸に向かってトランペットを吹く。
向こう岸の人も同じ曲を吹く。
悪い人たちではないのではないかと思っていたある日、悪いことをして徴兵された子が向こう岸の町を泳いで見に行った。
こちらとなんら変わらないと言う。
ますます、変だと思うようになる。

そして、大型爆弾を向こう岸に向かって撃つ。
たぶん壊滅した。
岸の向こうから楽器を吹いてくれることはなかった。
もうこちらの町は、戦争をしなくていいと、みんな集まることがなくなった。
が、川向うに渡った子が爆弾を爆発させてこちらの町も、たぶん終わった。
おあいこ。
戦争って、始まりは覚えていないけれど、ずっと続けようと思えばどこまでもしてしまう。
こうやって終わって良かったのかもしれない。

子どもができないと別れさせらた女性は、右腕が戦争でなくなった人と一緒になったら、子どもができた。
たぶんそうだろうと思ったけれど、夫の不妊。
もうそれも本人は知ることもなくて良かったかも。
2人は、町を出た。
え?出れるの?
みんなどうして早く出なかったのか不思議なぐらい。
もう当たり前になってそれすら思いつかなかくなってたんだ。
これが戦争か。
のりちり

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