リオン66

サン・セバスチャンへ、ようこそのリオン66のレビュー・感想・評価

3.6
 ウディ・アレンによる君たちはどう生きるか。

 本映画の日本では2024年に公開されることになったが、初上映は2020年9月。4年のブランクがあっての公開ということになる。2020年とは日本にとってどのような年であったろうか。コロナが猛威を古い、オリンピックが延期になった暗い時だ。これは、ウディ・アレンにとっても同様だろう。

 ここにはウディ・アレンのコロナ禍に対する思いが描かれていると考えてもいいのではないか。されば、この映画に死の匂い、遺言じみたものを感じるのは邪推とは言い切れないはずだ。

 そんな最後に言いたかったことは、映画大好きということなのではないか。映画の観ているあの時間だけは解放される。あの幸福を語りたかったに違いない。

 決して、万人受けする映画ではないが、ウディ・アレンの映画が一本でも好きな人には必須の一本だ。
リオン66

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