Rocko

キャッシュトラックのRockoのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
3.8
Fan’s Voiceさんオンライン試写。
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』『リボルバー』以来、16年ぶりにゴールデン・コンビを復活させたガイ・リッチー監督×ジェイソン・ステイサム主演の最新作!2003年製作のフランス映画『ブルー・レクイエム』をリメイクしたクライムアクション。
監督:ガイ・リッチー
脚本:ガイ・リッチー、イヴァン・アトキンソン、マーン・デイヴィス共同執筆

●あらすじ●
現金輸送専門の警備会社に入社する寡黙な男「H」(ジェイソン・ステイサム)。
彼の乗る現金輸送車=キャッシュトラックが強盗に襲われ・・・

●感想●(※ネタバレはなしですが、鑑賞前ノイズにはなります。)

個人的にステイサムのアクションよりもフレンチ・フィルム・ノワールにガイ・リッチーのテイストが加えられたらどうなるのかに興味があったので、オリジナルの『ブルー・レクイエム』を観てからリメイクを鑑賞したかったのですが、ストーリーを知らずに楽しめたので結果的には良かったです。

まずシンプルな脚本と設定が面白い。(多分オリジナルが面白いんだと思いますが。)
警備会社で働く男たちが多額な現金を命がけで守る警備員なのに薄給っぽい仲間達の描き方に心を掴まれてしまいました。

ハリウッドリメイクでステイサムのド派手ドンパチアクション映画になっているのかと思ったら、そうでもなく、フレンチ・フィルム・ノワールの虚無感と暗黒さが守られ、渋い作品に仕上がっておりました。
スローモーションの多用も無く、『シャーロックホームズ』のトラウマをやっと乗り越えられた気がしますw

ガイ・リッチーお得意のユーモアは抑えつつも随所にらしさがあり、主人公と敵が徐々に近づいて交差する段階的な盛り上げ方やバイオレンス描写の寸止め術とか、細かいところが上手いんですよね。
ただ、4部構成法は一見、スタイリッシュにも見えますが、わかりやす過ぎて逆にフィルムノワールの良さを打ち消してしまっているようであまり好みではなかったです。
コメディっぽい遊び心がガイ・リッチーらしいと言えばらしいけど・・・。

作品を盛り立てる重厚な音楽は『ジェントルメン』と同じクリストファー・ベンステッドで、撮影も『アラジン』『ジェントルメン』と同じアラン・スチュワート。
サウンドと映像は劇場鑑賞でスコア+になると思います。

ステイサムは寡黙で不気味で何考えてるかわからないホラーな雰囲気と内に秘めた怒りの中に人情味もある演技とクールなアクションが最高にカッコいい!
終始無双という訳でもないのにテンポよく進み、クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドのチャラそうなイケメンと外見から対立する構図が面白く、脇を固めるホルト・マッキャラニー、ジョシュ・ハートネットもよかったですが、唯一エディ・マーサンがあまりキャラ立ちしていなかったのは残念でした。

鑑賞前は期待と不安半々でしたが、ステイサムの存在感と独特なガイ・リッチーのセンスは劇場で体感する価値ありです!
面白かった❗️
Rocko

Rocko