みみずばれ

ジャパン・ロボットのみみずばれのレビュー・感想・評価

ジャパン・ロボット(2019年製作の映画)
4.4
重…突如の不穏ルート始まってビビる。
しかも最後お父さんは嬉しそうに道行きするから余計辛い

主役は機械が嫌いなヒンズー教徒の父と
機械嫌いの父から生まれたエンジニア息子
ここのチグハグがちょっと謎だが
堅物な父の下で暮らして結果
穏便に生きる事を覚えた息子ってのが
端々で感じられてキャラ作りが上手い
そして息子が就職先からレンタルした
人型介助ロボット、クンニャッパン

ラーマーヤナからの引用とか
未来に生きる為カーストに引きずられるなという
インドの社会制度を踏まえながらの現代描写が
とても上手で、シニカルも細部にあり
飽きがなかった。

お父さんとクンニャッパンの最後の問答
とてもすごい
【仕事が終わればメモリを消して
新しい客の所に向かうクニャッパン】は
ヒンズーにおける輪廻転生の体現者。
ラーマーヤナ内のパガヴァットギータで描かれる
カルマを粛々とこなす者だった
そこから脱却する為に人は
お祈りしたり占い頼ったりしてるのに
クンニャッパンは輪廻転生を受け入れてる。
くしくもアバターが日本で公開してるいま見たこの映画
クンニャッパンはヴィシュヌのアヴァターラだったのかな
だからお父さんは笑ったのかな???

できた息子で、お祈りやお寺なんか不要。
お父さんの方が機械の息子に執着してどんどん乱れていた。
敬虔なヒンズー教徒であったのに。
息子が主役だと思っていたが
まさかなお父さんの心のお話だった

昔話のあらすじが浸透している国
だからこそできる含蓄ある映画だった
古い郷土の物語は命題が多い、舐めたらいかん
みみずばれ

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