つるみん

ザ・ライフルマンのつるみんのレビュー・感想・評価

ザ・ライフルマン(2019年製作の映画)
3.7
【狙って撃つ、かがんで弾丸を込める】

第一次大戦下、ドイツの侵攻に脅えながら暮らしていた少年アルトゥルスだが、愛犬と母親を殺され、復讐を誓い戦争に身を投じる。心優しき青年が戦争によって変わっていく様を描いた戦争もの。

ソ連で禁書となった原作『吹き荒れる魂』の映画化。ラトビア映画というのは合作で何作品か観たことがあるものの、単体で製作された映画を観たのはこれが初めてだと思う。貴重な一本であるとともにラトビア映画の底力が垣間見える。

OPから夜の戦闘シーン。かなり長い尺を使ったこのシーンにより、本作の本気度が伺える。長回しではないものの『プライベート・ライアン』並の惹きつけに成功している。

エキストラを多数使用した戦闘シーンの迫力はもちろん、1人の青年が戦争によって人が変わっていく過程も丁寧に描かれていて、他の戦争映画と比較しても遜色ない素晴らしい出来であった。

ラトビアの人口が半数減った第一次大戦。その最前線で狙撃部隊を指揮したわずか16歳の青年の人生をとくとご覧あれ。
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