くろねこヤマ子

ベイビー・ブローカーのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.1

後味は
苦味のある甘さと
燻んだ色を孕んだ温かな気持ち。

悲しすぎない終わり方と良き余韻。
生きてることを赦される物語。

赤ちゃん捨てたけど捨てきれない女子と
おっさん(ベイビー・ブローカー)と
お兄さん(ブローカー協力者)と
ちびっこ(来ちゃった❤︎)の4人が織りなす、
たくさんの要素が詰まったロードムービー。
(赤ちゃんを入れると5人になります)

尾行する女刑事たちの心の機微も良き。

それぞれが持つ苦い事情は
旅を続けるうちに滑らかに紐解かれ、

そして今度は糸を依るように、
互いを否定することもなく、
距離が縮まっていく描き方が秀逸。

ボロ車で走る疑似家族の間には
優しい空気が流れはじめ、
観る側に心地よい苦しさを与える。
是枝節と言いたいやつ。

キャストサマサマとも思うし
エエモン観たとも思う。

わたしも家族で行く洗車
好きだったなー。