長編だけど三部構成だし、3日間に分けて観れば大丈夫だろうと思って見始めたら結果1日で全て観てしまった魔物みたいな作品。
水俣病は名前こそ知っていても、そもそもの始まりや病状や現状をよく知らなかったので大変勉強になった。
今作を観たくらいでほとんどを分かったようなことは決して言えないけれど、ちゃんと誰でも観られるかたちにしてもらえたことに感謝して、観たからには感じたことを…という想いで。
これは大変だ。覚悟してみないと大変だよ。無力感に苛まれるから。あぁ…でもパワーも貰えるよ、きっと…
なんて長い年月を戦ってるんだ、この方たちは⁉︎人生をなかばダメにされてどんな精神力で戦い続けてるんだ…と泣きそうになった。
どの場面をとっても心が痛んだり、頑張れと思ったり、何やってんだと怒りが湧いてきたり、感情が色んな方向に揺さぶられてどうにかなりそうだった。
被害者たちに寄り添う気持ちがあった役人もおそらくいたはずだろうけれど、立場がそうさせなかったのか、変わらされたのか、個々人の意見など
いつの間にか潰されてしまったのか…とか考えるとやるせない気持ちに沈む。
登場する方々がだんだんとお年を重ねていく様子がいかに長期間、戦い苦しんでいるのか、撮影している側も含めてその大変さが作品からじわじわ伝わってくる。いつになったら終わるんだろう…、終わりなんてあるのかな…と放心する想い。
「個人が国と戦うもんじゃない…」と言っていた方の人生の重たさがズシンときた。
団結すればいつかきっと…と上手くいくとは言えない現実に途方にくれる。
映画好きな一個人が1本の映画作品としての評価です。
『私はドキュメンタリーが好きである。
動物や環境、犯罪、スポーツなど、ジャンルは何でも興味深い。
ドキュメンタリー映画が手元にあったら少なからずテンションが上がる。
また次の作品を求めゆく…』
A級(ランク詳細はプロフィールに)