千年女優

ケミカル・ハーツの千年女優のレビュー・感想・評価

ケミカル・ハーツ(2020年製作の映画)
3.5
学校新聞の編集長を目指す男子高校生で、成績優秀な一方で自称ロマンチストながら恋愛経験はないヘンリー・ペイジ。担当教師から編集長を転校生で足に障害を持つグレイス・タウンと一緒に担うよう指示された彼が、ぶっきらぼうでクールな彼女に徐々に惹かれるも彼女の足を悪くした過去に共に囚われていく様を描いた青春恋愛映画です。

オーストラリア出身の女性作家クリスタル・サザーランドが上梓して米国書店協会からその年のベストデビュー作品リストにも選ばれた人気ヤングアダルト小説をリチャード・タンネの監督で映画化した作品で、PrimeVideoで公開されると物語は賛否両論ながらオースティン・エイブラムスとリリ・ラインハートの演技が一定の評価を得ました。

大まかなプロットはこの手の青春恋愛劇では定型とも言えるもので、突如現れたマニック・ピクシー・ドリーム・ガールに夢中になって右往左往する展開は予想の範疇内に留まっています。それでも思春期に訪れる数々な葛藤による感情の揺らぎを丁寧に捉え、それを各々に演じるキャラを上手く把握した主演二人の演技が支えている一作です。
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