とも

私というパズルのとものレビュー・感想・評価

私というパズル(2020年製作の映画)
4.1
この映画、観るべき映画だと思っていながら2年以上観る気が起こらず、やっと重い腰を上げて観ました。

と言うのも、うちの家には今は娘がいますが、実は娘にはお兄ちゃんもいてるはずでした。ただ死産になってしまいまして、この映画もそう言う内容と聞いていたので、観るときっと色んな事を思い出したりして辛くなるだけかなと思ってました。
娘が無事に産まれて元気に育ってくれていて少し時間が経ちまして、観る余裕もでてきました。



↓↓ネタバレ含みます↓↓

さて内容はと言うとやっぱり最初のシーンは中々辛い。30分ぐらいの長回しで苦しみが余計に伝わってきます。だからこその出産とは奇跡であること、直後に産まれた子が亡くなってしまうという絶望がひしひしと感じられる。

それまではキャリアウーマンだった主人公マーサが、ぼろぼろと心身共に崩れていく。まるでパズルをバラバラにするかのように…

夫や実母との関係がギクシャクしていくのも辛いけれど、最後の裁判のシーンから少し希望が持てました。
周りの特に実母の気持ちは分からなくもないけど、何があっても・どうなったとしても子供は帰ってこない。きっと空から優しく見守ってくれるはず。

「りんごの匂いがした…」、そして最後に繋がるりんごの木と、りんごが鍵となる。

ヴァネッサ・カービーが最初から最後まで、死産で子供を失ってしまったが、再生していく女性を見事に演じていました。
覚悟はいりましたが、私にとって忘れる事ができない良い映画でした。
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