勿体ないなあ、というのが素直な感想。
題材としては完璧だし音楽や美術も上質なのに、話を広げすぎてしまって全体的な印象がかなり薄くなってしまった。
ハンプトンが持ってたであろうカリスマ性と人間味を、説得力持たせるまで引き出すことができなかったせいで、
嫌々ながら潜入を引き受けたはずのオニールが次第にハンプトンとブラックパンサーに傾倒していく重要な変化が見られず、
暗殺の手助けへの葛藤が突拍子無くちぐはぐに感じられてしまった。
ラキール・スタインフィールドは良かったが、
ダニエル・カルーヤの演技は優等生っぽくてイマイチ。
また側近の党員もしっかり描けなかったので、知らない名前の『重要な側近』が突然死んでしまうということが度々あり、シラケてしまった。
その母も出てくるが「誰？」って感じ。
視聴前に少しブラックパンサーのことを調べてから見たけど、
アメリカの近代史や黒人の歴史にまったく知識がないと、
かなり中途半端な教育ビデオみたいになりかねない作品。
