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黒い罠 完全修復版のNNNのレビュー・感想・評価

黒い罠 完全修復版(1958年製作の映画)
4.8
劇場公開版との相違点↓

エイキム・タミロフ(役名ジョー・グランディ)の家(?)のシーンが(冒頭長回し後の)警察の現場検証シーンとカットバックになっていること。(劇場公開版のグランディ家のシーンは私的にちょっと重いと思っていたので、完全修復版の編集のほうがはっきりと好みです)

爆破事件後、ヘストンとジャネットがホテルのロビーで合流し、事のあらましについて話し合うショットが削られていること。(スタジオ側が勝手に追加撮影したショットはこれではないかと私は推測しています)(角度や奥行きにこだわるウェルズが物語説明のために用意するショットとは思えなかったので)

郊外の走行シーンが新たに追加されていること。(役名ピートと役名ジョー・グランディの人物像を掴むことがいくらか容易になっています)

……とまあ、序盤の変更点があまりに大きいです。

中盤はほんのわずかなショットの追加・差し替えがある程度です。(全部書くと大変なので省かせていただきます)

あとはラストシークエンスの頭に、建物内部の様子を探りながら盗聴器をいじるシーンが追加されていること。(劇場公開版では、いきなり盗聴器を持っていて、んっ!?という感じが少しありました)(壁に剥製がかかっているショットを見つけられる点において、こちらのバージョンのほうが『サイコ』への影響云々を指摘しやすそうです)

※劇場公開版より完全修復版のほうが15分長いとのことですが、冒頭にテロップ(再編集の断り。1分弱)、ラストにスタッフロール(2分)が追加されているので、本編に関しては12分くらいです。
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