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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのkissenger800のレビュー・感想・評価

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Disney+に来るべきだろうが。とジリジリしていたのをアマプラが半年かけて遂に(2000→399→199→)100円にしやがったのでまんまと乗ってしまった年末、しかしこれを2023年のうちに見てしまうとせっかく自分のなかで落ち着いた「2023年に見た映画ランキング」に乱れが。
みたいな理由で年を越して積んでいたんですが、年末年始に突然発生した縛り、イ・ソンギュンの(見なくても特に困る気がしない)過去作に金を払って見るの、それとも(ドラマ見ない班を名乗っているのに)『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』(2018)見るぅ? って自分にアオられてようやくこっちを再生する俺。我ながら面倒くさすぎる。

- とあるシーンにこ、これはアメコミ界のつげ義春解釈やぁ! 彦摩呂みたいな声が出てしまう[1]
- ついでにこここのスパイディはジミ・ヘンドリックスよねぇぇぇ、って声も出るんだけど、もしかして:あんまり指摘されてない? そんなことある?[2]
- もうひとつ、昭和特撮世代なのでキカイダーにハカイダーが出てきたときのエクスタシーが蘇ってヤバい。つまり石ノ森章太郎ワールド[3]

少なくとも上記3点をすべて満たしたレビューが既に書かれていてしかるべきだと思ったんですが、[2]はかろうじて既出? [1][3]は日本人で英語できるクラスタがちゃんと世界に紹介しないと駄目だと思いましたが、もちろんそこは主人公のヘッドホンがソニーXB950って話と同じでトリビアルっちゃトリビアルで、でもね、つげ義春を知らずこの映画にビッと来た若者が「紅い花」とか「ねじ式」とか「必殺するめ固め」とか、違うの、ちょっと齧って分かったふうになるんじゃなく、せめて単行本1冊分ぐらいの摂取をするじゃん? そうしたら、この作品の源がぼんやり見えるじゃん? その彼/彼女がまた新しい枝を伸ばすんです。そうやって伸びてきた若芽がこれなんです。
いいですか、「運命なんてブッつぶせ」ってカッコよさげフレーズではなく、「ブッつぶされても残るカスにおまえの本質は在る」がこの作品の核です。創作を舐めるのもいいかげんにしとけよ、広告代理店。

……というような感想と、ずっと「子育て」をテーマにしてきたフランチャイズの伝統を継いだ作品として、これはみなさん称賛するだけのものでした。良い。はーあ、しみじみ、良い。
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