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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのkuuのレビュー・感想・評価

4.2
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
原題 Spider-Man: Across the Spider-Verse
映倫区分 G
製作年 2023年上映時間 140分
ピーター・パーカーの遺志を継いだ少年マイルス・モラレスを主人公に新たなスパイダーマンの誕生を描き、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した2018年製作のアニメーション映画『スパイダーマン スパイダーバース』の続編。
オリジナル英語版ではシャメイク・ムーアが主人公マイルス、
ヘイリー・スタインフェルドがグウェン、
オスカー・アイザックがミゲルの声を担当。

マルチバースを自由に移動できるようになった世界。
マイルスは久々に姿を現したグウェンに導かれ、あるユニバースを訪れる。
そこにはスパイダーマン2099ことミゲル・オハラやピーター・B・パーカーら、さまざまなユニバースから選ばれたスパイダーマンたちが集結していた。
愛する人と世界を同時に救うことができないというスパイダーマンの哀しき運命を突きつけられるマイルスだったが、それでも両方を守り抜くことを誓う。
しかし運命を変えようとする彼の前に無数のスパイダーマンが立ちはだかり、スパイダーマン同士の戦いが幕を開ける。

ほぼすべてのメインストリームの長編アニメ映画(そしてコミック映画も同様)は、観客を差し込むトーンとビジュアルデザインを設定している。しかし、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の映像は、予測不可能な中毒性を持っている。
それは前作でも感じてたことやけど。
今作品は、まるで酸欠状態で現代美術館のフロアを落下しているような気分にさせてくれたが、そのすべてにスリリングな瞬間瞬間のロジックがあった。
量子物理学の眼球をくすぐるような爆発や、数十年前のコミック・ブック・スタイルへのサブリミナル的な頷きなどなど。
これは、アメリカの画家・版画家・芸術家でポップアートの旗手アンディ・ウォーホルと車椅子の物理学者スティーブン・ホーキング博士から『よくやった』なんて云ってもらうためにデザインされた映画やったような気がする。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、前作の素晴らしさを受け継ぐだけでなく、その幅をまったく新しいレベルにまで広げていたし、次元を超えた爽快な旅へといざない、おなじみのキャラと新たな顔ぶれが、視覚的に美しく、感情的に共鳴する物語の中でぶつかり合う。
今作品の際立った点のひとつは、オリジナルへのオマージュを捧げつつ、思いもよらない方法で宇宙を広げるという微妙なバランスを保っていること。
第1作では、画期的なアニメーションのスタイルを紹介し、心に響くストーリーテリングとダイナミックなキャラで個人的には小生の心をとらえた。
一方、今作品では、このジャンルの映画全体の可能性を押し広げ、未知の領域を開拓している。
あくまでも素人目にですが、アニメーションは依然として芸術作品であり、1コマ1コマにエネルギーと創意工夫、細部への細心の注意があふれていましま。
さまざまな宇宙に命を吹き込む万華鏡のようなビジュアルから、息をのむような流麗でダイナミックなアクションシーンまで、すべての瞬間が製作者たちの創造性と才能の証だし真摯に向き合ってるのが伝わり感動しました。
さらに今作品では、前作で惚れ込んだキャラたちがより深く掘り下げられ、進化し、新たな試練に立ち向かう。
登場人物の感情的な深みと成長は、心に深いレベルで響き、彼らの勝利を応援してもたし、彼らの苦悩に共感させてくれた。
今作品は、心温まる瞬間、スリリングなアクション、示唆に富むテーマの間で絶妙なバランスを保っており、まさに忘れがたい映画体験やったかな。
オッサンが書くのも変やけど。
結論として、今作品は、前作の後継作としてふさわしいだけでなく、それ自体が画期的で忘れがたい映画であることを確固たるものにしてくれました。
絶賛しすぎかなぁ笑。
また、想像もしなかった方法でスパイダーバースを拡大し、無限の想像力と感情的共鳴の世界に没入させてくれた。
息をのむようなアニメーション、複雑なキャラ、卓越したストーリーテリングは、アニメーション映画の力と可能性を証明するものであり、この驚異的なシリーズの次回作を待ち望んでいます。
因みに、2024年3月29日にはシリーズ第3弾『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』が全米公開される予定やそうです。
ヒャッホー。
前作はタイトなストーリーだが、今作品ははるかに広がりがあり、映画の幅を成層圏まで広げ、その過程でリスクを冒している。
両作品はそれぞれ違った意味で心に残る楽しい作品です。
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