このレビューはネタバレを含みます
奥さんと偽刑事の場面/引きでありながら画面外で見切れる相手への得たいの知れない恐怖/そしてゆっくりと偽刑事にカメラが動く。
奥さんレイプ場面/家の外の場面から闇が濃く、恐怖を予感/必ず人がいない風景があって、そこに端から人が入る/川に着いても人物は真ん中に来ない。上の方でうろうろ、時折見切れる/そして奥さんがふと左の方を見る。思わずつられて左の画面外に目をやると、反対側から突如襲われる、恐怖/そこからの一連も、常に引きのためどこかただの出来事、ぐっと寄ってドラマチックになんてならない。
別々のやり方で支配する二人の男/だからこそ奥さんの号泣場面にとてつもなく違和感/何に対して泣いていたのか。
息子を殺したと言う奥さん/そのとき以外はずっと後ろを向いている/最後は微動だにせず数分、死なのか。
画面外に常に映らない存在があるという一見すると批判されそうな特徴を、逆に映画表現に利用する。観客の想像力を表現のための一要素とする。
