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ヤクザと家族 The Familyの盆栽のレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.5
平成までは彼らを生かしたが、令和では彼らを殺した


平成11年、平成17年、令和元年とそれぞれの時代で山本と周辺の人達の善と悪、成り上がりと後悔、希望と絶望をリアルに描いた作品。

映画においてよくテーマとして扱われる「家族」という存在。この作品での「家族」というものはギャング映画の頂点ともいえる『ゴッドファーザー』や『グッドフェローズ』最近の作品だと『ワイルド・スピード』のような、いわゆる「疑似家族」。この作品において「疑似家族」が光を象徴し、本物の「家族」が闇を象徴しているように感じ取れた。

物語前半は従来のヤクザ映画と似たような展開もあり、山本と柴咲の関係を重視した描き方。しかし後半から全てが180度回転する描き方はどこかスコセッシ作品の匂いがしますね。平成から令和に入ると映像自体も変化を遂げ、ヤクザが反社の存在であると心苦しくなるほど伝えてきます。ここまで追い込み、追い込みさせてくる映画は経験したことのないレベル。破壊力のある作品です。
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