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トランスフォーマー/ビースト覚醒のkuuのレビュー・感想・評価

4.0
『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
原題 Transformers: Rise of the Beasts
映倫区分 G
製作年 2023年。上映時間 127分。
上映方式 2D/3D(3Dで鑑賞)
2007年にマイケル・ベイ監督、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮による第1作が公開されて以降、世界的大ヒットを記録してきたSFアクション超大作『トランスフォーマー』のシリーズ通算7作目。
動物の姿をしたビースト戦士(マクシマルズ)が初登場し、新たな物語が幕を開ける。
人間側の主人公となる青年ノア役をアンソニー・ラモスが演じる。
エレーナ役は新星ドミニク・フィッシュバック。
『クリード 炎の宿敵』を手がけたスティーブン・ケイプル・Jr.監督がメガホンをとった。
監督によれば、作中のポルシェ964は、マイケル・ベイ監督の前作『バッドボーイズ』(1995年)の主人公マイクとマーカスがポルシェ964を乗り回すシーンへのオマージュとして特別に選ばれたそうな。

オプティマスプライム率いるトランスフォーマーたちが地球に来て間もない1994年。
あらゆる星を食べ尽くす、惑星サイズの規格外な最強の敵『ユニクロン』が地球を次の標的に動き出した。
この未曽有の危機に立ち向かうべく、プライムは仲間たちを集め、意図せず戦いに巻き込まれた人間のノアとエレーナ、そして地球を救う新たな希望であるビースト戦士たちとともに立ち上がる。。。

トランスフォーマー映画シリーズの第7弾となる今作品は、ファンがこのシリーズに期待するもの頷ける。
すなわち壮大なアクションや、見事なビジュアル、そして、古典的な玩具やアニメへのノスタルジックな言及を実現している。
今作品の監督はスティーブン・ケイプル・Jr.は、シリーズの核となる要素に忠実でありながら、新鮮でエネルギッシュなビジョンをもたらしていた。
アクションシーンはスリリングかつ独創的で、トランスフォーマーたちの多様な能力と個性、そして人間との交流を表現してたし、また、今作品は、オリジナルのジェネレーション1トランスフォーマーへのオマージュでもある。
トランスフォーマーの神話と歴史を探求し、サイバトロンでの起源、地球とのつながり、宇宙のバランスにおける役割などを明らかにしていた。
今作品は面白く純粋に楽しめた。
映画のクライマックスでハっラハラドっキドキ出来たのも付け加えとこかな。
予測可能やけど滅茶苦茶な無理矢理感はなかったし、登場人物も愛らしく、実際の人格を持っていて愛着すら感じる。
しかし、今作品に欠点がないわけではない。
プロットは時に錯綜し、混乱させ、説明も解決も不十分な小ネタやひねりが多すぎるのは否めない。
台詞はしばしば安っぽく陳腐で、平板なユーモアに頼ったり、強引に感じたりするのも然り。
登場人物のキャラは深く探求され尽くされてはないかな。
また、ある部分では長すぎて遅く、ある部分では急ぎすぎて唐突になるなど、テンポの悪さにも悩まされはした(オヤジやし仕方ないが)。
しかし、これらの欠点は映画全体の楽しみを損なうものではなく、最終的にはトランスフォーマー・シリーズのファンにとって楽しくて面白い作品となっている。
今作品は、トランスフォーマーたちにリアルで緻密な生命を吹き込む見事なCGI効果で、視覚的にも楽しませてくれる。
また、トランスフォーマーの玩具やアニメで育った人たちにとってはノスタルジックな旅となり、思わず微笑んでしまうようなイースターエッグや参考資料がたくさん登場する。
例えば、作中、エレナは古代の遺物に関するオンライン論文を読んでたが、これらはトランスフォーマーを製造・デザインしている2つの玩具会社タカラとトミー(2005年に合併)社名やった、遊び心ある粋な演出。
今作品は、トランスフォーマーのレガシーを称えるものであると同時に、彼らのサーガにおける新たな章の幕開けを期待させるものでもあると個人的には思いました。
今作品は、約束通り、楽しいアクションが楽しめる映画でした。
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