モロッコの山奥に暮らすアマズィーグ人の姉妹を捉え、昔からの暮らしと新しい価値観との間で揺れ動く2人の心を静かに映し出していくドキュメンタリー。
2人と寝食を共にしたという監督による親密な映像で、2人の繊細で複雑な心のうちが伝わってくる。
弁護士になりたい妹ハディージャと、結婚が決まり学校を辞めた姉ファティマ。
プリミティブな生活や価値観を守りながら生活する彼らの姿を通して、失われつつある人々の暮らしを伝える。
と同時に、そうした暮らしを絶対善とせずに、そこに生きる人々の内なる思いを最優先に描いている。
結婚式のシーンは、賑やかな式とは対照的に思い詰めたような顔をする、ファティマたちの姿が胸に残る。
ラストカットもかなり印象的。