まいこ

ハウス・イン・ザ・フィールズのまいこのレビュー・感想・評価

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アトラス山脈の四季折々の自然風景と、モロッコの山奥で暮らすアマズィーグ人(ベルベル人)の姉妹の慎ましくも美しい日々の営みを記録した映画。世界的建築家ザハ・ハディドを叔母に持ち、写真家としても活躍するタラ・ハディド監督による作品。7年にわたって現地に通い、姉妹たちと寝食を共にした。

結婚が慣習となり、その慣習によって村が、塊が社会が、形成されるとはまさにこの事。個人の意志を無視して共同体を繋ぎ止める原理はかなり合理的なのだけど、文明が発達した今となってはそれが絶対ではない、と言いたい。
「弁護士になりたい」と語ったハディージャはどうなったかというと他の女性と変わらず"義務"をこなし、独自の文化のもと日々を暮らしている。そこに善悪は存在しない。
映像そのものが彼女の人生を大きく変えるきっかけとはならずとも、外部の人間が知覚し、何かしらの行動の発露とするには充分なのかもしれない。ただ、それも外部のエゴなのかもしれないし、難しい。モロッコの雄大な自然とそこに住まう人間の姿、中々に見る機会は無いから満足です。
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