ルサチマ

Classical Period(原題)のルサチマのレビュー・感想・評価

Classical Period(原題)(2018年製作の映画)
4.7
一見緩く見える画面ではあるが、ダンテ『神曲』の議論のシーンでテーブルを囲う男女の学生をデクパージュする際に人物の顔向きと細かく空間を細部化したカメラポジションが位置関係の把握を困難にしつつ、しかしそれによって語られる議論に対する学生たちのリアクションと衝突、中立の関係が落ち着きを払いつつも野心的な技法で(議論の中盤以降にはカメラのゆったりとしたカメラ独自の動きとして異なる2人以上の人物をフレームインさせたりもする。これは同じような題材を扱って、端正に演出するロメールも至らなかった実験的手法だ)描写されるのがたまらない。
ルサチマ

ルサチマ