NAOKI

ホテルローヤルのNAOKIのレビュー・感想・評価

ホテルローヤル(2020年製作の映画)
3.4
目の付け所はいつもいいんだけどわかってんのかよ?!

…て話。(笑)

おれ…ラブホって大好きなんですよね…って誤解のないように…「題材」としてって話ですよ!

ラブホって要は様々なラバーズが愛を確かめるためや性欲を満たすためにはぁはぁしに行くのに特化した施設…

だから世の中からは「いかがわしい場所」として胡散臭がられる…だからせめて見た目だけでもとでも思ったのか特異なデザインや名前を進化させてきたラブホ…

外国にもラブホみたいな場所はもちろんあるけどこんなにファンタジック?に進化させてるのは日本独特じゃないかな?

そんな場所だからほっといても色々な人間ドラマが繰り広げられるわけでストーリーの題材としては最高だと思うわけです。

下田逸朗さんの名曲に「ラブホテル」なんてのもありましたねー(笑)
「回るベッドの上〜♪」
あ?歌わなくていい?

ラブホを題材にしたもので過去おれが1番好きなのは中崎タツヤの漫画「じみへん」の中の一話。
うろ覚えなので細部は違ってもご容赦…

広大な田んぼの真ん中にお城みたいなラブホがポツンと建っていて…
その脇の畦道で小学生くらいの姉と弟らしき2人が遊んでいるところに自転車に乗った若いお巡りさんが通りかかる…
「お前ら…どっから来たんだ?お父さんとお母さんは?」
すると女の子はラブホを指差し「お城…」と答える。お巡りさんはそれを聞いて激昂する。
「なんちゅう親だ!?よーし一言言ってやる!」
ラブホに向かおうとするお巡りさんに女の子が食い下がる。

そのお城がどういうところか分かってるのか分かってないのか…女の子の家は貧しく狭くおじいちゃんおばあちゃんも同居してて息がつまるから広い外に遊びに来たみたいな説明をする…

それを聞いてなんとなく事情が飲み込めたお巡りさんはちょっと困った顔をするが…

「そうか…よーし!じゃあお父さんとお母さんが帰ってくるまでお巡りさんが一緒に待ってあげよう」
2人の幼い姉弟とお巡りさんは田んぼの脇のアリなんかを眺めながら時間を過ごす…

やがてお城から2人の男女が出てきて自分の子供たちが警察官と一緒にいるのを不安そうに見ながら近づいてくる。

近づいてきた両親に気づいた若い警官は慌てて立ち上がり直立不動で敬礼の姿勢を取り思わずこう言ってしまう!

「ご苦労様です!」
(笑)

おい!「ホテルローヤル」のレビューはどうなったんだよ!

すいません…ですよね。

なんで関係ない話ばかりうだうだして本題のレビューにいかないかというと…

それはラブホというのがおれの大好きな題材…そして「100円の恋」の武正晴監督にこのキャスト…期待するなって方が無理!飛びついて観たのになんかちょっと残念な感じだったからです。

構成、脚本、音楽…なんか意図が分からなくてもっと面白くならないか?って思っちゃったんです。

先程のビッグコミックススピリッツのたかだか2〜3ページの漫画でラブホを題材にしてあらゆる人間の感情を絡めてきておれをあれだけ笑わせて感心させる話が出来るのに…何やってんのかな?って思っちゃったんです。

武正晴さんという監督…相性悪いのかな?

出会いが最悪…「イン・ザ・ヒーロー」
唐沢寿明がテレビのマスクヒーローの「中の人」を演じて…ドストライクのテーマで途中まで面白かったのに…クライマックス…ノーCGノーカットの命がけのスタントに挑戦する!というシーンをショボいCGで撮ってた。
映画館でおれは目が点になりました…どうしても意図が分からなくて…テーマと手法が矛盾してる!

ところが!次の「100円の恋」は最高でした。
最近の「アンダードッグ」前後編も良かった。
ボクシング映画にハズレはないんです。

でも若い男が銃を拾う話「銃」やこの「ホテルローヤル」もそう、目の付け所はおれ好みの最高のテーマなのになんでそうなっちゃうのって…分かってんのかなぁ?って思うことが多いんですよね…

見終わった後にものすごくラブホに行きたくなるか…絶対に行きたくなくなるか…のどっちかの感情になるような映画が見たかったのです。

ご苦労様です!(敬礼)
NAOKI

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