矢野竜子

リンダ リンダ リンダの矢野竜子のレビュー・感想・評価

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)
3.8
「水深ゼロメートルから」を見て思い出し十数年ぶりに見た。
ラストの演奏シーンでインサートされる誰もいない教室等は
平成の涼宮ハルヒ、そして令和のぼっちざろっくに
まんま継承されていて変にグッときてしまった。
この作品が与えた影響は計り知れないと思う。
どこか突き放したような演出トーンも良いのだけど
一方でシュールコメディを指向したような演出も
いくつかありノレない部分も多く
「平成」という時代を感じた。
ただ夢のシーンの微妙な距離感の偽物ラモーンズと
本物のピエール瀧は笑ったし
青春映画の常套句であるクライマックスでの「走り」が
結局タクシーで尚且つ転倒へと繋がるのが本作の特徴か。
遅刻と雨という理由で「走らされる」のが面白い。
この本気か冗談かわからない「やらされている感」が
最終的に全くなくなるのが本作のカタルシスであり
上手いなあと思う。
その他、河原沿いのクレーン車並走とか
冒頭の横ドリー長回しとか
結構気合い入ってておおとなった。
今日はザ・ブルーハーツの「野音 Live on ’94 6.18/19」を
聴きながら寝ます。